2008年度の活動
2009.2.7. 新春講演会開催
JR海浜幕張駅近くのWBG(ワールド・ビジネス・ガーデン)マリブイースト14階にある千葉県国際交流センター研修室で開催。講師は、当協会会員でドイツ・ハーモニック・ドライブ・システムズ社会長、伊藤光昌氏。テーマは「精密制御の世界」。同社の製品の特徴は3つの基本部分、つまりウェーブ・ジェネレーター、フレクスプライン、サーキュラスプラインで構成されているため、小型軽量化が可能。歯車の歯の噛み合い数が多いためより大きなトルクを生み、正確な位置決めが可能であること。こうした特徴により、本田技研のロボット「アシモ」の腕や足の部分、ハワイ島の大型光学赤外線望遠鏡「すばる」や宇宙船の部品、2003年には人類初の火星探査車のカメラの方位調整、位置決め装置、車輪やステァリングなどにも利用された。とくに、産業用ロボットの間接部品では世界シェア50% を誇る。 同社は本業のほか、さまざまな社会貢献事業も展開している。「もの作りへの情熱と独創的なアイデァは優れた感性から」と、1980年以来安曇野市で「ハーモニック・コンサート」を開催していることもその一つ。その収益は学校の図書購入費として寄贈されているほか、海外の第一線で活躍するエンジニアと対話する「国際シンポジューム」などもある。
講師・伊藤光昌氏のお父さん・庸二氏は海軍武官として1926~28年、ドレスデン工科大学に留学した。1928年には「ぼうぼうあたま」(Der Struwwelpeter) を翻訳し1936年に出版した。その縁で、1978年フランクフルトのヘルツオーク氏から光昌氏に「作者のハインリッヒ・ホフマンの貢献を残そう」との提案がなされ、1981年「ホフマン協会」設立に加わり、同理事に就いた。
同協会と、伊藤光昌氏の出身地・千葉県御宿町にある歴史民俗資料館は姉妹提携をしている。こうした伊藤氏の事業、文化両面にわたる日独間の懸け橋としての貢献に対して、2008年12月ドイツ政府からドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小受章を授与された。
2008.11.16. 第14回ドイツ軍人慰霊祭開催
船橋市営習志野霊園にて。この年から習志野第九合唱団有志22人も参加し、これまでのCD演奏に替わるドイツ国歌の合唱でスタート。当協会の平尾浩三会長、ドイツ大使館からヴォルフガング・フリッシュフート武官、船橋市長代理の寺田一男環境衛生課長らが挨拶した。この中で、習志野市長代理の加藤清一生涯学習部長は習志野俘虜収容所があった習志野市東習志野4丁目の児童公園の一角に、捕虜と地元住民たちの交流を示す記念日「ドイツ捕虜オーケストラの碑」を建設し、11月11日にその除幕式が行われた、と報告し注目された。
慰霊祭終了後、霊園隣接の自衛隊習志野第一空挺団の好意により幹部食堂で直会を行なった。当協会役員有志がフリッシュフート武官とともに、新設の「ドイツ捕虜オーケストラの碑」を見学し、往時の交流を偲んだ。
2008.10.2 - 30. ドイツ語勉強会開催
各木曜日、計5回、船橋市中央公民館で開催された。講師は当協会会長で東大名誉教授の平尾浩三先生。
2008.9.20. 第10回チター演奏会
会場はJR津田沼駅前モリシアビル内のレストラン「銀座アスター」。当協会会員で、日本チター協会会長、内藤敏子先生と内藤先生の招きによる朗読家の八鍬(やくわ)よし子さんとの共演の形で行なわれた。八鍬さんは、日本を代表する朗読家・坂井清成氏に師事、国内だけでなく、ドイツ日本人学校での公演を行なっている。内藤先生の「わが夢の町ウィーン」などのメドレー演奏をし、そのあとでチターの静かな演奏のもと「竹の皮」(生方たつゑ作)を朗読するなどこれまでと一味違った演奏会の雰囲気に、内藤先生門下生を含む51人の聴衆は暮れゆく秋のひと時を料理ともども満喫していた。
2008.8.25 - 9.5. スペシャルイベント「ドイツ人学生研修プログラム」開催
成田山参拝記念写真
伊東会員宅にホームステイ
当協会がドイツ人学生受入実行委員会を作り、関係機関の絶大な協力のもとに実施した。初来日の男子学生2人は、大学生のクリスティアン・モルゲンシュテルン(Christian Morgenstern) 、23歳、と高校生のニコラス・パウルゼン (Nicolas Paulsen)、17歳。8月25日、成田空港に降り立った2人は千葉のホテルで平尾浩三・同実行委員会委員長(当協会会長)ら幹部に滞在中のオリエンテーションを受けた後、翌日から千葉県庁、在日ドイツ大使館への表敬訪問を行ない、この間当協会理事たちから日本文化の紹介学習を行なった。当協会が毎年11月に実施している「ドイツ軍人慰霊祭」の慰霊碑(船橋市営習志野霊園)に献花したり、幕張メッセ見学、ドイツと関係の深い県内企業・メトロ千葉店、新日鉄君津製鉄所、キッコーマン本社、さらに時谷邸、千葉大学、千葉市立高校の見学・訪問を精力的にこなした。日程の後半は観光千葉の魅力を研修してもらうため、佐倉、九十九里、銚子、犬吠岬、成田山、東京ディズニーランド、さらに東京、鎌倉なども見学して日本の歴史・文化と近代ニッポンの繁栄を修めた。
この2人の研修には、多くの関係機関・団体、企業のご協力を得たほか、当協会会員多数の献身的なボランティアにより実現した。女性会員が学生2人の在日時の“親代わり”やホームスティをそれぞれ受け持ったり、男性会員が交代で各地の案内、世話役をこなした。
2008.8.23. グローバルフェスタChiba に出展
千葉大学のけやき会館で開催された。
2008.7.12. ドイツ語学の権威「岩﨑英二郎先生講演会」開催
会場は千葉市生涯学習センター・大研修室。演題は「ドイツ語のむずかしさ・おもしろさ」。副詞、心態詞schon のいろいろな場面での用法について具体的な例文をあげながらの解説に、大研修室は満員。NHKのテレビ、ラジオでお馴染みの先生たち、岩﨑先生門下生、会員及び友人らが時を忘れて聴き入った。この中で『ベルリンの壁』は誤訳である、と指摘。ドイツ語のMauer は「塀」であり、日本語の「壁」と「塀」の意味をそれぞれ複数の辞書を引用しながら説明し、何かのはずみで誤訳が歴史的概念として定着してしまう問題点を喚起した。
2008.6.13- 22. 「ドイツ・デュッセルドルフ日本デー参加と「ゲーテ街道」&「ドイツ東部の旅」の10日間」を実施
マイセン博物館で実演見学
日本デーで日本舞踊を披露
2008.5.17. 年次総会と講演会
船橋市「西船フローラ」で34人が出席して開催。恒例通り、前年度事業報告、同決算及び監査報告があり、続いて新年度の事業計画案、同予算案、役員改選などを原案通り可決、承認された。
総会後の講演は、千葉県総合企画部国際室室長、浜本憲一氏が「千葉県の国際交流政策」をテーマに行なった。
2008.4.24 - 5.31. ドイツ旅行事前勉強会
会場は船橋市中央公民館。6月実施の旅行を有意義な内容にするために、当協会役員が長年の経験と専門知識を傾けて会員、希望者に講義を行なった。その内容は①平尾浩三氏「ゲーテとその詩情」②國枝誠昭氏「マルチンルターの生涯」③橋口昭八氏「デュッセルドルフの日本デー」「東部ドイツの見どころ」④野村陽子氏「ベルリンと私の音楽生活」
2008.4.19「日独パートナー会議」参加
4月19日の出発組と24日出発組との2班に分けて出発した。このパートナー会議は、2005年(「ドイツ年」)に90人の独日協会会員がドイツから来日し、3年ごとに相互訪問することが決まった。今回は当協会など8協会・47人が、(財)日独協会副会長(元駐独大使)、木村氏を団長に訪独。ベルリン、ポツダム、ハレ、ブロッケン山、ベーレフェルト、ケルン、デュッセルドルフ、カールスルーエ、ストラスブール、ザールブリュッケン、フランクフルトと回り、各地で独日協会、公的機関に歓迎されながら、交流の成果を上げて5月8日に帰国した。