会長ご挨拶

1914年(大正3年)に始まった第一次世界大戦で中国の青島を巡って行われた日独の戦争で日本に敗れ、捕虜となったドイツ兵の内、約1,000人が千葉県の習志野俘虜収容所に収容されましたが、その内の30名が当時世界的に流行した「スペイン風邪」に感染して亡くなられました。

千葉県日独協会は、習志野霊園に眠る彼らの慰霊碑を守り、毎年11月のドイツ「国民哀悼の日」にドイツ大使館から武官をお迎えして慰霊祭を開催することを目的の一つとして1996年(平成8年)に設立されました。勿論、それだけではなく、ドイツ語講習会、ドイツ旅行、「ビール祭り」や懇親バス旅行やクリスマス会のほか、ホームステイ希望のドイツ・デュッセルドルフ市や千葉大学の留学生の受け入れなども行い、国境を超えた親睦も行っております。

又、当協会では、上記の習志野 俘虜収容所に収容されていたドイツ兵たちがそれぞれどのような人たちであったのか、習志野でどのように生活していたのか、といったこと等を明らかにしようと定期的に「ボトルシップ研究会」を開いております。(このボトルシップとは、瓶の中に帆船などを組み立てて置物として飾るもので、当時のドイツ兵が作成して、収容所に慰問に来た子供達にプレゼントしたものが近年発見されて話題となったものです。) 最近では、元ドイツ兵の子孫の方が慰霊碑を訪ねて来られたり、「お爺さんから当時の話を聞いた」といったお便りをもらうようになっております。

私達は、これまでドイツに駐在経験のある方、旅行をされてドイツに興味を持たれた方、ドイツ音楽、文学、又は、映画や「オクトーバーフェスト」で、ドイツに親しみを感じておられる若い人達を含めた皆様方に、是非ともご入会していただきたく、お待ちしています。

会長 金谷 誠一郎